靴に魅了されたデザイナーが作る最高の靴

「靴は適当にデザインしてしまうと構造上作れないというのが出てきてしまうので、いかにその決まりを守りながら自分が良いと思うバランスを見つけていくかが大切だと思っています。」

2018.03.15 Thu

小林:もともと靴を学ばれる前は建築の勉強をされていたということですが、幼少期から建築も靴も両方お好きだったんですか?

横尾:両方好きでしたね。建築は、なぜかはわからないんですが、物心ついた頃から家(住宅が好きで住宅展示場に遊びに行って家を見るのが好きだったんです。笑 なので、自分しては自然な流れで建築の勉強をしようと思いました。

小林:ご自身の中では自然というのは分かりますが、住宅展示場で家を見ているのが楽しいというのは、なかなか変わっていますよね。笑

横尾:住宅情報誌などを見るも好きで、坪単価とかについて妙に詳しかったりしましたね。笑 靴は、姉の家庭教師をされていたお姉さんが驚くぐらいおしゃれな方で。街を歩いても周りから浮くくらいで、その方が履いていた靴が当時の私にはとても強いインパクトだったので、そこから靴に興味を持ったんだと思います。その後、たまたま雑誌でイギリスに靴のことを学べる学校があるというのを見つけてしまって、そういうところがあるなら行ってみたいって思ったんですよね。

小林:そんなにおしゃれな方だったというはとても気になりますが、中学生など多感な時期だったらそういった体験が印象に残っているというのはわかる気がします。

横尾:その影響は強いと思いますね。今考えても浮世離れしていたと思うくらいの方だったんですよ。ただ、靴も建築も元々は絵を描くことが好きで漫画家になりたいというところから始まっているんですよね。とにかく絵を描くのが好きだったんです。

小林:建築もそうでしょうが、靴作りでも絵を描けないとデザインよりは職人さんというか「作る」ことがメインになってしまうんでしょうね。

横尾:そうですね。靴作りって絵型が描けないとラインが伝えられないから、作ることができないんですよ。私は靴作りを教えてもいるのですが、意外と木型の絵が描けない人が多いんですよね。木型が捉えないようのない形というのもあると思うんですが、あまりに描けないことに驚くことも少なくないですね。

小林:横尾さんが描かれた絵型を拝見すること出来ますか?

横尾:最近は描くことが少なくなってきましたが、昔は結構描いていましたね。木型が出来たら、それを元に描いた絵型を職人さんに見せて、そっくりそのまま作ってもらうのでとても重要なんですよね。

小林:なるほど!こうして拝見するとデザイン画というよりはかなり精密な仕様書っていう感じなんですね。

横尾:もちろん、ラフデザインのような絵も描くんですけど、この絵型がないと最終的に靴は作れないので絶対必要なものですね。

小林:これは完成形がかなりはっきりと見えていないと描けない絵ですね。結果的に靴の道に進まれて、様々なところで学ばれた上で現在のデザインにたどり着かれたと思うのですが、デザインをされる際にどういったものをインスピレーションソースにされていらっしゃるんでしょうか?

横尾:たまに聞かれるんですど、インスピレーションソースっ自分ではよく分からないんですよね。笑 靴って、この限られた中で表現しなきゃいけないので、何か作りたいと思うベースのものがあって、作りながらバランスを考えてデザインしていく感じが多いです。 靴は適当にデザインしてしまうと構造上作れないというのが出てきてしまうので、いかにその決まりを守りながら自分が良いと思うバランスを見つけていくかが大切だと思っています

小林:靴は服やそれこそ先ほど話に出てきた建築なんかと比べるとスケールも違うからこそ、デザインするのも難しそうですね。ご自身で靴をデザインする時、ファッション的なテイストなど、コーディネートなど合わせを考えることもあるんですか?

横尾:全く考えないわけではないですが、出来れば靴に合わせて服を選んで欲しいと思いますね。靴一足でそれ以外は相当シンプルなファッションでも良いじゃないですか?だから、私の靴は結構合わせやすいと思ってるんですけどね。笑

小林:横尾さんの靴だったら主役になると思いますし、本当にオシャレな人ってシンプルだったりしますもんね。

横尾:日本特有な考え方なのかもしれないですが、もっと広く考えられないかなと思うことがあって。靴がこうだと合わせにくいとかっていう考え方が強い気がしていて、もうちょっと柔軟に考えても良いんじゃないかと思っているんですよね。

小林:特にメンズはそういった考え方が強いかもしれないですね。

横尾:そうですね。そういうこともあるのでこれからも女性が作るメンズシューズという自分にしか出来ないことをやっていきたいと思っています。

靴作りの奥深さと横尾さんが持つ靴への情熱が垣間見え、より一層《KARIBAKI》が履きたくなった。《KARIBAKI》のバリエーションや今後実現するかもしれないアクセサリー など、横尾直さんの今後の展開も目が離せない。

オーダーメイドのシューズデザイナーが手がける アノニマスなプロダクト《KARIBAKI》の魅力に迫【…】
「自分が消費者としても心が動くようなモノを作っていきたいと思っています。」
「大きな革新的なことではなく、普段の生活の中に 小さな革命を起こせれば良いなと思っています。」
日用品として洋服を 使ってもらいたい という想いが強い。

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