東京ファッションシーンのこれからを担う若手デザイナーによるトークセッション
《TENSER PERSON × KEISUKEYOSHIDA》
【Part.2/3】

互いの展示会にも足を運び、実際に着用することもあるという二組はどのようにスタンスで服を作り、ブランドのこれからをどう考えているのか?

2018.06.04 Mon

―それぞれのブランドについて掘り下げて伺いたいのですが、まずコンセプトについて。《KEISUKE YOSHIDA》は「明るいのか暗いのかわからない青春の空気と、そこにいる彼らの装い。」というのがコンセプトとして掲げられています。その中でも「青春」やユース感というのはブランドのパブリックイメージとしてもあると思いますが、この「青春」はどういった性質のものでしょうか?経験に基づく主観的な青春なのか、もう少し客観的で普遍的な青春なのか。

吉田:最初の数シーズンはこのコンセプトを大きく掲げてやっていて、基本的には自分の経験に基づいた「青春」を軸にデザインしていました

そこに共感してくれる人が集まって来てくれているなって感じてましたし。でも、2018ssからはあえて「青春」というワードを外して、「彼らの装い」から「彼らの感情と装い」と掲げる言葉も実は微妙に変えたんですよね。

もう少し、視野をげてファッションとか社会とか人に目を向けて、そこで感じた空気、今の自分がそこに感じてる気持ちに向き合いたいと思って。基本的に若い子に共感してもらえるクリエイションは変わらず意識してますが、「青春」はワードの持つ意味が狭く、強すぎるので外すことにしました。

―ヤシゲさんは先ほど、ファーストコレクションの中の、グラビアアイドルの写真を用いたルックが印象的だったとお話しされていましたが、ヤシゲさんとしては当時の《KEISUKEYOSHIDA》の服と現在のものを比べて、そのクリエイションに共感出来るというのは変わらないですか?

ヤシゲ:変わらないですね。僕らはやらないような事をやっているのはすごいなと思いますし、前の方が良かったとかも思わないです。

 

 

ビアンカ:自分たちはそのテンションのモノは作らないし、得意ではないけど《KEISUKEYOSHIDA》の服を見て単純に可愛いと思うし、欲しいと思うモノもあります。お客さんが《TENDER PERSON》と《KEISUKEYOSHIDA》の服をミックスして着てるの見ると、「あっ、良いな」と思う事もあります。

吉田:そうだね、それはあるかもね。僕もうちの展示会に来てくれ子が《TENDER PERSON》の服を着ていて、いいなって思ったことあります。作っているモノのタイプ違うけど、展示会で僕もったことあるし

小林:2018ssのお互いのブランドのアイテムだと、どれが良いとかある?

吉田:僕はファイヤーパターンのカットソーは持っていてよく着てるし、他の服も好きですね

ヤシゲ:僕は《KEISUKE YOSHIDA》がレディースなので自分では着れないですけど、丸くくり抜かれたワンピースは可愛いなと思いましたね。

ビアンカ:私もこれ可愛いと思った!自分たちでは作らないデザインだし。

 

 

―お話を聞いていると、両ブランドのターゲットや実際のお客さんの層は近いんでしょうか?

吉田:年齢層が近いと思いますね。

ヤシゲ:お互いにカルチャーだけでやってないというか、なんて言えばいいのかな。例えば、このラッパーが着てるからその服が欲しいとかっていう人よりは、ブランドに関わらず色んな服を見る中で選んでくれている人が多いんじゃないかなと思います。ファッション熱がある人。

吉田:あまりブランドのカテゴリーで服を見ない人というか、ファッションをもう少し肌で楽しんでいる10代の子がフラットな目線でどっちも選んでくれることはあるのかな。

ヤシゲ:「今っぽい」というところで、東京のストリートのリアルな子たちがそれぞれのブランドを選んで着てくれてるのかなと思います。それはちょっと前だったらあまり無かったことだとも思うし、時代性なのかもしれないですね。

―少し話が逸れますが、実際にそれぞれの商品を前にして、自分たちが作ったものを売るということにフォーカスした時、amazonが本格的にファッションを取り扱い始めたりという動向もありますし、BOICEもEC限定のショップですが、自分たちのブランドがECに向いていると思いますか?

吉田:《TENDER PERSON》は特に向いていそうな気がするよね。

ヤシゲ:圭佑君に比べたらあるかもしれないですけど、ルックだけだとやっぱりサイズ感とかは難しいのかなと感じますよね。

吉田:《TENDER PERSON》の服は、形ベーシックなものが多いし、着てる姿を想像しやすいんじゃないかな。なにより目を引くプリント物が強いしね。うちの服は、コレクションを見てくれて買いたいけど近くに売ってるところがないからネットで買うっていうのが現状一番多い気がします。だから、どっちかというとネットは都内の人より地方の人が多い。ランウェイをやって、誰々が着てくれてとかがあって、それ見て欲しいと思ってもらえて、その先の販路としてネットがあるという意味では向いているって言えるのかな

ビアンカ:うちの服は確かに写真で見ると分かり易いとは思うんですけど、そこまでの導線は仕掛けられてないから、その辺をもうちょっと整えたらネットでも売れるのかなと思います。

―なるほど。話をコンセプトに戻したいと思います。《TENDER PERSON》の「日常生活から得る物事をさまざまな角度から捉え、時代感、空気感を独自に追求し、自分たちらしさをファッションを通して、表現し続けること。」というコンセプトの中で、自分たちのオリジナリティーがもっとも表現できていると感じるのはどういったところでしょうか?

ヤシゲ:やっぱりトータルの世界観ですかね。《TENDER PERSON》の世界観が好きだから買ってもらえてると思いますし、自分たちも日々の生活の中で東京のストリートからインスピレーションを得てデザインしているので、それが表現出来ていると思っています。

―街の中で見かけたものからデザインを起こしていくというのは、ビアンカさんも同じですか?

ビアンカ:そうですね、同じです。私としては世界観はもちろんなんですが、買ってくれた人が自分なりに《TENDER PERSON》の服をコーディネートして出かけてくれた時に、自分たちが追求して出来たモノに、着てくれる人の手が加わることで良いものになると感じますね。

小林:これは僕が感じたことなんですが、《TENDER PERSON》は、パターンであったりグラフィックであったり、セールスであったり全部自分達でコントロールしてる感じがありますよね。例えば、餅は餅屋スタイルの《KANIZSA》などとは少し違って、スタイリングなども含めてデザイナー自身が自分達の世界観を作るために関与していくスタイルで、しかもその精度が高いですよね。

ヤシゲ:テーマとかコンセプトとかで言うと、最初の頃は結構意識して作っていたんですけど、最近は僕個人としてはあんまり気にしないようになってきていて。そこを気にしなくても出来るようになってきたというか、自然になったのかもしれませんね。

―《KEISUKEYOSHIDA》も含め、他のブランドと比べてここが圧倒的に違うというような事も基本的には考えてない?

ヤシゲ:そうですね、その辺はあまり考えてないです。

―吉田くんは、自身のブランドのオリジナリティーについてどう考えていますか?

吉田:半年に一回のコレクションで、その時に自分が新鮮だと感じるものとちゃんと向き合って作ることが、まず大切だと思っていて、シーズンによってはクリエイションの方向が思いっきり変わる事もあるし。でもまあ、どれも僕がデザインしているし、そこには癖だったり変わらない根幹の部分があるだろうと思っているので、そういう意味ではコレクションの度に、どこか裏切りにいってやろうって気持ちがあったり、次はどうなるんだろうって僕自身ですら予測できていない部分は面白いところかなと思います。笑

小林:予想通りにならないように考えながら作っていると。

吉田:そうだね、予定調和にならないようには意識してるかな。自分でも飽きちゃうしね。

Part.3/3につづく

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