《FRANK LEDER》が作る時間も距離も超越する普遍的な道具としての服の魅力

《FRANK LEDER》の服は、何故か日本人の心に響く。日本における民藝やボロ文化にも通ずる独特の人肌を感じるような服は、きっと大切に使い続けたくなる道具となる。

2018.05.31 Thu

ファッションデザイナーには2つのタイプに分類できる。少し強引ではあるのは承知の上だが、グローバルに活動の環境を変えながら、良くも悪くも目立つ舞台を好み、パリやミラノ、ニューヨークなどのいわゆるランウェイコレクションで“作品”としての服を発表するタイプのデザイナーと、ローカル(出身国や居住地)に根付き、その場所の歴史や文化に紐付きながらも自分のクリエーションを深化させて、職人的というべき姿勢で、作品というよりは優れた“道具”としての服を作るタイプのデザイナーの2つのタイプ。

一般的にファッションデザイナーというと、前者の方をイメージする人が圧倒的に多いのではないだろうか。マーケットを考えても最先端のトレンドを生み出すそのようなデザイナーに光が当たるのは当然といえば当然だが、後者のタイプのデザイナーにも素晴らしいデザイナーは数多く存在する。

中でも、今回取り上げる《FRANK LEDER》はロンドンの有名ファッションスクールであるセントラル・セントマーチン(以下、セントマ)を卒業後はロンドンやパリでの活動を経て母国であるドイツのベルリンにアトリエを構え、一貫したスタイルで服作りを行なっており、特にテキスタイルに強い拘りをもって作られるその服は高い評価を受けている。

FRANK LEDER》について説明する際に語り草になっているのが、彼のセントマの卒業コレクションを故アレキサンダー・マックイーン氏が絶賛したという逸話だ。少し話が逸れるが、現在メゾン・マルジェラを率いるジョン・ガリアーノが審査員を務めた卒コレでは、現在ディオール・オムのクリエイティブ・ディレクターを務めるキム・ジョーンズの作品を賞賛したと言われているが、マックイーンにしても、ガリアーノにしても一見するとタイプの違うように見えるフランク・リーダーやキム・ジョーンズを見初めて、評価することで彼らがフックアップされるというサイクルがしっかりと機能しているヨーロッパの文化は流石である。

話を《FRANK LEDER》戻そう。《FRANK LEDER》は、おそらく世界で一番日本で売れているのではないかと思う。ドイツ国内での知名度も決して高くはない。何人かのドイツ出身者に聞いてみたことがあるが、《FRANK LEDER》の名前を知っている人は誰もいなかった。なぜ、《FRANK LEDER》の服は日本で売れるのか。それは、おそらく日本の文化として根付いているツギハギなどの民藝にも通ずるボロ文化やモノを大切にする「もったいない」精神と共通点があるからなのではないだろうか。

天然素材のみを使用し、デッドストックの生地(時として100年以上前の生地も使用する!)やアンティークのボタンを使用して作られる《FRANK LEDER》の服が持つ道具としてのオーラが、無意識レベルで我々日本人に訴えかけるものがあると思わずにはいられない。心から大切に着続けたいと思える服は、そう多くはない。遠くドイツの地で作られる《FRANK LEDER》の服は、時間も距離も超越する普遍性を帯びている。是非一度お試しされることをオススメする。

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